セカンドチャンス!

タクシードライバー勤務で第二の人生を謳歌してます!

あなたと私のそのあいだ

シードライバーを始めて、もう3年が経過しました。今まで数え切れない人達の目的地への足となってきました。定年前は自分が運んでもらう側でした。子どもも成人し、特にお金に困るということはありませんでしたが、タクシードライバーとして再就職をすることに決めました。妻は反対しましたが、私にはどうしても知りたいことがありました。
ある時、仕事帰りにタクシーに乗った時、笑顔が清々しく妙に印象的なドライバーからこんなことを言われたことがありました。
「お客さん、もう定年を迎えるんですってね。定年後は何をされるんですか?」
「考えてないけど、子どもももう家を出てるし、夫婦でどこか旅行にでも行くよ」私は答えました。
するとドライバーは「旅行にといっても、いつまでも続くものでは無いでしょう。まだお元気であれば、何か別の仕事を始めてみたらいかがですか?」と言いました。
落ち着いて余生を過ごすには、まだ何か足りないものが自分の中にあるのは確かでした。「そうだなぁ。それじゃ何を選ぶといいと思う?」冗談半分で聞いてみました。
「そうですねぇ。私が何故タクシードライバーをやっているか分かりますか?」
質問返しかと思いながら「さあねぇ」と答えると、そのドライバーは印象的な笑顔を再度見せました。バックミラーに写ったその瞳が今でも忘れられない。それくらい私には印象的でした。
今、私もその時のドライバーが持っていた気持ちに、少しだが近付いた気がします。タクシードライバーを始めていろいろなことがありました。その積み重ねが、きっと彼のような印象的な笑顔を作り出すのだろうと思います。
60過ぎて、このような道があることに感謝せずにはいられません。いつかあの時のドライバーにあって、一緒に酒でも飲み交わしたい、そう思ってハンドルを握る日々を続けています。